道産子の赤黒サッカーノート

北海道コンサドーレ札幌のことを中心に、よもやま話も混ぜていきます。

【J1リーグ2019シーズン第14節】北海道コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島〜昼過ぎのアンニュイなひとときとダンディズム〜

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 世の中は運動会ということで、組体操におけるピラミッドの危険性や、順位を着けない徒競走など、テーマ性に富んだ話題には事欠かない。
 運動会に向かう民衆も本当はみんな札幌ドームに行きたくて行きたくて震えていた。前日には応援団を私物化した大規模な雨乞いも決行されたという。しかしこれはテラスでの暴飲暴食を渇望し、万を越えるてるてる坊主を率いた赤黒の祈祷師たちによって相殺された。天気は曇り。少しばかり風が出ていた。
 実は今節はそんなにじっくり試合を見ることが出来ていない。ゴール裏からの眺めをそのままに、マッチレポートを書いていく次第。そのため冗長な導入文を書いてみたりした。それでは舞台を福住は札幌ドームに移す。
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揃わないベストメンバーは進化のはじまり

 スタメンはこちら。コンサドーレはなかなかベストメンバーが揃わない。今節はチャナティップと宮澤がコンディション不良のため欠場。チャンスかと思われた岩崎もU-23トゥーロン国際出場のためベンチ入りせず。
 意図せずの結果ではあるが、就任前はメンバーを固定した起用法を懸念されていたミシャもここ数週間は多くの選手をトップの試合で試すことに。ルヴァンカップでアピールが十分とは言えなかった選手も改めてチャンスを得ている。サポーター目線でも、メンバーそれぞれの成長や戦術へのアジャスト感が増していることを少なからず感じることの出来る機会となっている。
 両シャドーにはルーカスと早坂、ボランチには荒野がキャプテンマークを左腕に巻き出陣。
 キャプテンアラーノの冒険がはじまる。


このサンフレッチェは知っている

 サッカーにおける"リスク"とは何か。そもそも攻守のトランジションが激しいスポーツであり、安全地帯は少ない。そこかしこにリスクは転がる。
 "リスク管理"と言われると、攻→守のネガトラにおける対応、いわゆるカウンター攻撃に対してどう振る舞うかということが頭に浮かぶ。サンフレッチェも、"攻撃が好きな"コンサドーレの選手たちの隙を窺う。
 コンサドーレというチームはいつの間にやら引いて守るに値する相手となっていた。サンフレッチェの守備における取りどころは複数設定されていたと思う(時間帯や個々の優劣により変わるが)。シチュエーションとしては、シャドーへの縦パスに対しての収縮。センタリングへのリフレクション。荒野。その他。スイッチは常に入るわけではない。昨シーズン、ゲームをコントロールした青山は不在だったが、それでもやはりインテリジェンスを感じるチームではあった。
 第一に目指したのはコンサドーレディフェンスの脇。ここに関しては、トリニータにこっぴどくやられたこともまだ記憶に新しい。しかし、そこはミンテ。着実に評価を高めるセンターバックが立ちはだかる。

リスクの押し付け合い

 この日もミンテがスペシャルだったのは疑いようがない。同時に、コンサドーレはチームとして、サンフレッチェとの間でリスクの押し付け合いを展開する。
 サンフレッチェはボールを保持させることで失点のリスクを背負う中、自陣深くでブロック形成することで、バイタルエリアでのコンサドーレ攻撃陣が攻め込むことへのストレスを与える。そして、奪取とともにスイッチが切り換わる"怖さ"を示しながらの試合展開を目指す。
 コンサドーレはというと、ボールを握ることで奪われるまでは失点のリスクはほぼゼロ。しかし、先述した通り、サンフレッチェは攻め込ませた後のカウンターを狙っている。嫌なボールの失い方をせず、奪取された後に速い攻撃をさせない準備を行う。深井、ミンテ、ソンユンあたりはボール保持しながらも左右前後にかなりの頻度で首を振りながら敵味方の位置関係を把握していた。

縦横揺さぶりのアクセント

 試合展開的にこのボールの動きは至極真っ当なところかもしれないが、コンサドーレは横方向、サンフレッチェは縦方向へのボール運びを軸に組み立てる。
 コンサドーレが今シーズン、4-4-2型のブロックを組む相手に多用するのは福森の横移動。中央からボール配球を可能にすることもそうだが、横ドリブルによって相手のゾーンの継ぎ目を複雑化させ有効に縦パスを組み込むことを意図。明確なチャンスに結びつく回数は少ないが、今後も横方向の動きには注目。
 サンフレッチェは、縦に速い展開を好む中、縦への楔とレーンを移動させる斜め後方への落としを組み合わせる。これにより、スピードは落とさず、前を向いた選手がスペースを確保しながら前進していく。ピッチの幅は使い切らず、同サイドで人数をうまく配分することでスピードを持って攻撃しながらネガトラにおいても即時奪回・ディレイへの移行がスムーズに。

安定を崩すべく投じられた一石

 得点に繋がったのは優先度の高いデザインされたプレーではなく、サイドから半ばシンプルなハイボールを起点としたこぼれ球から。整った展開の中で、こうしたプレーから点が重ねられるようになってくると、いよいよ得点バリエーションは広がってくる。
 ジェイのように高さにアドバンテージがある選手以外でも、早坂のようなプレーを止めず連続性を持たせられる選手はこうしたシーンでも効果的に動くことができる。

最後に


 試合全体を通して、コンサドーレとサンフレッチェは両チームともにゲームプランから大きく背くことなく試合を進めたように思う。強いて言うなら、サンフレッチェはゲームメイクに巧みな青山が不在の分、ピッチ内で攻守に戦術的な修正を加える選手は不足していた。
 決着は、AWAYでお互いにフルメンバー揃ったときに。